「実存のレンズ」 Distagon T*2/35 ZE
コシナ製のMFレンズ、Distagon T* 2/35 ZE。
写りは質実剛健、不思議な立体感のあるレンズで、すでにYoutubeでもレビューしてあります。興味のあるかたはどうぞ。
改めて過去の作例を掘り起こし、写りを眺めてみると、「実存」という言葉が頭に浮かんできます。
そこにあるんだなあ、というのを克明に記録するレンズ。
35mmでF2の割にけっこう大きくて重い、ずんぐりしたレンズなのですが、撮ってみると「おおお」と感動があります。
SEL、つまりSony用のEマウント用AFツァイスと比べると、MFのツァイスはヤシコンもコシナ製も総じて重厚な写り。みっしりした写り。ちなみに一連のレンズ写真はSony α6300にMakro-Planar T*2/100で撮影しています。
レンズの詳細や露出値について一枚一枚記載できないので、このブログの画像はEXIFそのままにしてあります。どうしても気になる方はダウンロードして見てみてください。
レンズの型番が、Sony製のボディーで撮っている場合はアダプター経由になることから、DTという型番になっていたりしますが、焦点距離とF値から類推していただければ。
ZEのレンズ全般、最初は以前Canonボディーを使っていたので直接ボディーにくっつけて使っておりました(当然です)。
途中でわたしがSonyにマウント替えしたもので、ViltroxおよびSigma MC-11というアダプターを経由して使っています。
EXIFが、レンズの型番がちょっとおかしくなる事以外は、電磁絞りの動作もOKですし絞り値など普通に記録してくれますので大変助かるのですが、フォーカスエイドだけ使えなくなるのが欠点ですね。
フォーカスエイドというのは、ZEレンズをキヤノンのボディーに付け、シャッターボタンを半押ししながらピントリングをぐりぐり回していくと、ピントのあったところでピピッと鳴ってくれる機能。これが大変助かるんですが、Sonyボディーでは使用できません。
また、Sonyボディーに取り付けると、Eマウントの通常動作だる絞り込み測光ではなく、開放測光のみになってしまうもので、このDistagon T* 2/35 ZEのように周辺減光の大きなレンズを使うと、EVFでのプレビュー時と撮影時でけっこう露出がずれます。
一眼レフユーザーからすると、違って当然じゃない、と思うかもしれないのですが、ミラーレス一眼を使っている時はストロボ撮影以外、EVFでの露出プレビューを見ながら撮っているものでイラッと来るんですよね。社外品なので仕方ないのですが。
そのあたりカバーできれば、他の点ではキヤノンボディーに付けたときと同じ動作をしてくれるので大変結構です。AFももともと機能としてないですし、むしろピント拡大が出来るEVFの利点もありますよ。

というかんじで、以下作例。
解像度など性能でいうと、より高価なF1.4のDistagonの方が良さそうですが、この「そこにあった」ことをぐいぐいと押し出してくる、下手をすると誇張にもなりかねないほど存在感を主張させるこのレンズがお気に入りです。たいへんドキュメンタリー、スナップ向き。
そのうちSEL35F14Z(Sony Eマウント用のAF Distagon T* 1.4/35)と、ZEのDistagon T* 1.4/35も試してみたいところです。